
【AI×自治体DX】年間22,700時間削減へ 横須賀市に学ぶ生成AI全庁導入の衝撃【前編】
生成AIの活用が全国の自治体へ広がる中、先進事例として大きな注目を集めているのが神奈川県横須賀市です。
2023年、横須賀市は全国の自治体に先駆けてChatGPTの全庁的な活用実証を実施しました。
その結果、年間22,700時間もの業務削減効果が見込まれることが明らかとなり、自治体DXの成功事例として全国から視察や問い合わせが相次いでいます。
人口減少や職員不足が進む日本において、AIは行政運営を支える重要なインフラになりつつあります。
今回は横須賀市の事例をもとに、生成AIが自治体業務をどのように変え始めているのかを解説します。
目次
- なぜ自治体に生成AIが必要なのか
- 全国初のChatGPT全庁実証
- 図解① 従来業務と生成AI活用後の違い
- 年間22,700時間削減という衝撃
- 職員の多くが効果を実感
なぜ自治体に生成AIが必要なのか
全国の自治体では少子高齢化や人口減少の影響により、人材確保が年々難しくなっています。
一方で行政サービスへの期待は高まり続けており、限られた職員数で多様な住民ニーズへ対応しなければなりません。
特に自治体では以下のような事務作業が大量に発生しています。
- 文書作成
- 議事録作成
- 住民対応
- データ整理
- 報告書作成
- 資料作成
これらの業務は生成AIとの相性が非常に良く、大幅な効率化が期待されています。
全国初のChatGPT全庁実証
横須賀市は2023年4月、全国の自治体でも先駆けとなるChatGPTの全庁実証を開始しました。
当時は生成AIへの期待と同時に、情報漏えいや誤情報生成への懸念も大きく、多くの自治体が様子見の姿勢を取っていました。
しかし横須賀市は「まず試してみる」という方針を採用し、約3,800人の職員を対象に利用環境を整備しました。
利用ルールやガイドラインを明確化しながら実証を進めた結果、多くの職員が業務改善効果を実感することになります。
図解① 従来業務と生成AI活用後の違い
| 業務 | 従来 | 生成AI活用後 |
|---|---|---|
| 文書作成 | ゼロから作成 | AIが下書きを作成 |
| 議事録 | 手作業で整理 | AIが要約支援 |
| 調査業務 | 検索と整理を手作業 | AIが情報整理を支援 |
| アイデア出し | 担当者依存 | AIが複数案を提案 |
年間22,700時間削減という衝撃
横須賀市が公表した実証結果の中で特に注目されたのが、年間22,700時間という業務削減効果です。
これは生成AIによって職員の作業時間を短縮した場合の試算であり、自治体DXの可能性を示す象徴的な数字となりました。
仮に1人の職員が年間1,800時間働くとすると、およそ12人分以上の労働時間に相当します。
つまりAIは人員削減ではなく、人材不足を補う新たな行政インフラとして期待されているのです。
職員の多くが効果を実感
実証実験後に実施されたアンケートでは、95.8%の職員が「業務効率向上に役立つ」と回答しました。
また現在では職員の約7割が生成AIを利用しているとされており、単なる実証実験ではなく日常業務の一部として定着し始めています。
自治体職員自身が効果を感じていることが、この取り組みの最大の成果と言えるでしょう。
後編では、実際にどのような業務が短縮されたのか、2時間が10分になった事例や全国へ広がる自治体AI活用について解説します。


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