暗号資産の税制が大転換:最大55%→20.315%へ。損益通算と繰越控除まで整理

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仮想通貨が申告分離課税へ|税率20.315%・損益通算・3年繰越控除の要点【令和8年度税制改正大綱】

※本記事は一般的な情報提供です。個別の税務判断は税理士等の専門家へご相談ください。

いま何が起きた?仮想通貨税制の「大転換」

令和7年12月に公表された「令和8年度与党税制改正大綱」で、暗号資産(仮想通貨)の税制が抜本的に見直される方針が示されました。 最大のポイントは、これまでの「雑所得・総合課税(最大税率55%)」から、株式などと同じく「申告分離課税(一律20.315%)」へ移行すること。 さらに、暗号資産同士での損益通算や、損失の3年間繰越控除の導入も見込まれています。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}

これまで仮想通貨は利益が大きいほど税率が跳ね上がり、会社員でも副業レベルの利益で高い税負担に直面することがありました。 その意味で今回の方針は、個人投資家にとって「課税のルールが別物になる」インパクトを持ちます。

結論:税率が下がるだけでなく、「損失が出た年の救済(損益通算・繰越)」が入るのが本質。勝ち方だけでなく負け方(守り)が変わります。

変更点①:最大55% → 一律20.315%へ(申告分離課税)

従来は給与など他の所得と合算して税率が決まる「総合課税」だったため、利益が大きい投資家ほど住民税と合わせて最大55%に達することがありました。 改正後は「申告分離課税」となり、利益の額にかかわらず一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)が想定されています。 :contentReference[oaicite:4]{index=4}

誰に効く?

  • 高所得者・大きく勝った年:税負担が「半分以下」になる可能性がある :contentReference[oaicite:5]{index=5}
  • 会社員投資家:暗号資産の利益が給与の累進税率を押し上げにくくなる :contentReference[oaicite:6]{index=6}

比較表(超重要)

項目 従来(雑所得・総合課税) 新方針(申告分離課税)
税率 所得に応じて上がる(最大55%) :contentReference[oaicite:7]{index=7} 一律20.315% :contentReference[oaicite:8]{index=8}
給与との関係 合算され税率が上がる可能性 切り離して計算(給与の税率に影響しにくい) :contentReference[oaicite:9]{index=9}
損失の扱い 原則救済が弱い 損益通算・3年繰越が導入見込み :contentReference[oaicite:10]{index=10}

変更点②:損益通算と「3年間の繰越控除」が解禁

税率の引き下げと同じくらい重要なのが、損失が出た年の救済策です。大綱では、株式投資で一般的な「損益通算」と「損失の繰越控除(3年間)」を暗号資産にも適用する方向が示されています。 :contentReference[oaicite:11]{index=11}

① 損益通算(暗号資産同士)

同一年の利益と損失を相殺できる仕組みです。例えば、ビットコインで100万円の利益が出ても、イーサリアムで100万円の損失があれば、 トータルの利益は0円となり税金がかからない、という考え方になります。 :contentReference[oaicite:12]{index=12}

注意:現時点の大綱では「上場株式等(株や投資信託)」との損益通算はできない見込みで、暗号資産グループ内での通算が想定されています。 :contentReference[oaicite:13]{index=13}

② 損失の繰越控除(3年間)

その年に使いきれなかった損失を、翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できる仕組みです。 例として「2027年に300万円損失→2028年に300万円利益」の場合、繰越控除で2028年の課税をゼロにできる、という説明がされています。 :contentReference[oaicite:14]{index=14}

変更点③:対象は「特定暗号資産」中心?DeFiや草コインは注意

分離課税の対象は、金融商品取引法上の規制対象となる「特定暗号資産」等に限定される見込みです。 国内の暗号資産交換業者(取引所)で扱われ、金融庁の監督下にある銘柄が中心になる、と整理されています。 :contentReference[oaicite:15]{index=15}

一方で、海外取引所のみで扱われるマイナー銘柄(草コイン)や、DeFiで得たトークン等がこの枠に入るかは制度設計待ち。 対象外となった場合は、従来どおり「雑所得(最大55%)」が残るリスクがある点が要注意です。 :contentReference[oaicite:16]{index=16}

適用開始はいつから?「2027年以降」が濃厚

税制改正大綱は方針であり、法律改正と施行までタイムラグがあります。記事では最短で2027年1月、 ずれ込めば2028年1月施行の可能性にも触れています。 :contentReference[oaicite:17]{index=17}

ここが実務上の最大論点です。含み益がある人ほど「いつ利確するか」で税額が変わり得ます。 ただし、制度は確定していないため、現時点で断定的に動くのは危険。施行日・対象範囲・必要書類が確定した段階で戦略を組み直すのが安全です。

取引所の「報告義務」強化:申告漏れは通りにくくなる

優遇の裏側として、課税の透明化も強化されます。暗号資産取引業者がユーザーの取引情報を記載した報告書を税務署へ提出することが義務化される、と説明されています。 :contentReference[oaicite:18]{index=18}

つまり「バレないだろう」は通りにくくなる。今後は、帳簿・履歴の整理(取引所CSV、損益計算、根拠資料の保管)がより重要になります。

投資家が今やるべき実務:3つだけ

  1. 取引履歴の整備:取引所のCSV、入出金、手数料、移動履歴を一本化して保存
  2. 対象区分の棚卸し:国内取引所銘柄/海外銘柄/DeFi等を分け、どこが「特定暗号資産」になりそうか整理 :contentReference[oaicite:19]{index=19}
  3. 利確計画は“施行日確定後”に再設計:2027年/2028年のどちらになるかで戦略が変わる :contentReference[oaicite:20]{index=20}
補足:本記事は制度の概要整理です。実際の税務判断は、あなたの所得状況・取引形態・居住地等で変わります。必ず専門家へ。

まとめ:仮想通貨は「金融商品」へ近づく

  • 雑所得・総合課税(最大55%)→申告分離課税(一律20.315%)へ :contentReference[oaicite:21]{index=21}
  • 損益通算(暗号資産同士)+損失の3年繰越控除が導入見込み :contentReference[oaicite:22]{index=22}
  • 対象は「特定暗号資産」中心で、DeFi・草コインは対象外リスク :contentReference[oaicite:23]{index=23}
  • 開始は2027年以降が濃厚(最短2027/ずれ込み2028の可能性) :contentReference[oaicite:24]{index=24}
  • 取引所の報告義務強化で申告の透明性が上がる :contentReference[oaicite:25]{index=25}

制度が確定するまで断定は禁物ですが、方向性としては「暗号資産を金融商品に近い枠で扱う」流れが強まっています。 施行に向けて、履歴整備と対象棚卸しだけは早めにやっておくと、あとで楽になります。

参考

本記事のベース:ミツカル税理士「暗号資産(仮想通貨)が申告分離課税へ!注目点と損益通算・繰越控除について〖令和8年度税制改正大綱〗」 :contentReference[oaicite:26]{index=26}

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