市役所の約4,700ページを生成AIが案内――真岡市が24時間対応を開始

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真岡市の取り組みとは?その生成AIの仕組み

栃木県真岡市は2026年10月1日、市公式ホームページで提供してきたAIチャットボットをリニューアルし、生成AIを活用した新しい市政情報案内サービスの運用を開始しました。

新しいチャットボットは、市公式ホームページに掲載されている約4,700ページを参照し、税、子育て、健康・福祉、ごみ・環境、各種手続きなど、市政に関する質問へ原則24時間対応します。

注目されるのは、ホームページの更新情報を自動で取り込み、回答できなかった質問を毎月分析する仕組みです。

生成AIを設置して終わるのではなく、市民から寄せられた質問を基に、回答精度とホームページ自体を継続的に改善する運用モデルとなっています。


真岡市が生成AIチャットボットを開始

真岡市が導入したのは、SDT株式会社が提供する生成AIサービス「Panorama AI」を利用したチャットボットです。

利用者は真岡市公式ホームページの画面右下に表示されるアイコンを押し、知りたい内容を文章で入力します。アプリのインストールや会員登録は必要ありません。

提供開始日 2026年10月1日
設置場所 真岡市公式ホームページ
参照情報 市公式ホームページの約4,700ページ
利用時間 原則24時間365日
主な対応分野 各種手続き、税、子育て、健康・福祉、ごみ・環境など
利用方法 ホームページ上のアイコンから質問を入力
システム構築・運用 SDT株式会社
使用サービス Panorama AI

真岡市は2022年2月からAIチャットボットを運用してきましたが、従来は想定される質問と回答を事前に用意する方式が中心でした。

今回のリニューアルでは生成AIを活用し、利用者が普段使っている言葉から質問の意図を読み取り、関連する市公式情報を探して回答を生成します。


市役所の約4,700ページを一つの案内窓口に

自治体のホームページには、住民票、税金、子育て支援、介護、ごみの分別、各種申請など、生活に必要な情報が数多く掲載されています。

一方、情報量が増えるほど、利用者が必要なページへたどり着くことは難しくなります。

検索に適したキーワードが分からない場合や、複数の制度が関係する場合、目的の情報を見つけるまでに何ページも確認しなければならないことがあります。

真岡市の生成AIチャットボットは、約4,700ページの市公式情報を参照対象とすることで、分散している行政情報への入口として機能します。

質問できる主な内容

  • 住民票や各種証明書の取得方法
  • 引っ越しに伴う行政手続き
  • 税に関する一般的な案内
  • 妊娠、出産、子育て支援
  • 健康、福祉、介護に関する制度
  • ごみの分別や収集方法
  • 市役所の窓口や申請方法

回答には参照情報へのリンクも表示されるため、利用者はAIの案内から市公式ページへ移動し、制度の詳細を確認できます。


ホームページの更新情報を自動反映

今回の導入で重要なのが、市公式ホームページの更新内容をチャットボットへ自動的に取り込む仕組みです。

従来型のチャットボットでは、制度変更や新しいお知らせがあるたびに、担当者が質問と回答を手作業で登録・修正する必要がありました。

新しいチャットボットでは、ホームページ側の情報が更新されると、その内容を自動的に取り込み、回答へ反映します。

これにより、次のような効果が期待されます。

  • 職員による回答データの手動登録を削減
  • 制度変更や新しいお知らせを回答へ反映
  • ホームページとチャットボットの情報差を縮小
  • 更新作業の負担と登録漏れのリスクを軽減

ただし、生成AIの回答が常に最新かつ正確であることを保証するものではありません。重要な手続きでは、回答に表示される参照ページや担当部署で確認する必要があります。


回答できなかった質問を毎月分析

真岡市の取り組みは、生成AIをホームページへ設置するだけではありません。

チャットボットが回答できなかった質問を毎月分析し、真岡市とSDTが連携して回答精度を改善します。

利用者は回答ごとに、問題が解決した場合は「グッド」、解決しなかった場合は「バッド」のボタンから任意でフィードバックを送れます。

こうした利用データから、市民がどのような情報を探しているのか、どの質問で回答につまずいているのかを把握できます。

利用データから改善できる項目

  • AIが回答できなかった質問
  • 利用者から低い評価を受けた回答
  • 問い合わせが集中している制度や手続き
  • 市民が見つけにくいホームページ情報
  • 説明が不足しているページや項目
  • ホームページの分類や導線

つまり、チャットボットは問い合わせに答えるだけでなく、市民の情報ニーズを可視化する役割も持ちます。

質問の傾向をホームページの内容や構成の見直しへ活用できれば、AIを利用しない人にとっても情報を探しやすいサイトへ改善できます。


固定型チャットボットから生成AI型へ

項目 従来型 生成AI型
回答方法 事前登録した質問と回答を表示 質問の意図を読み取り回答を生成
質問の表現 登録された表現に近い質問が必要 普段の言葉で質問しやすい
情報更新 回答データを手作業で修正 ホームページの更新情報を自動反映
改善方法 登録内容を個別に見直す 未回答質問や評価を分析して改善
注意点 登録範囲外の質問へ対応しにくい もっともらしい誤回答が生成される可能性

生成AI型は、質問の自由度や参照できる情報量を広げられる一方、回答の正確性を人間が確認する仕組みも必要です。


日本語以外の質問にも対応

真岡市の公式案内によると、新しいチャットボットは日本語以外の入力にも対応しています。

  • 英語
  • ポルトガル語
  • スペイン語
  • 中国語(簡体字・繁体字)
  • ベトナム語

外国人住民が多言語で行政情報を確認できることは、手続きの負担軽減や情報格差の縮小につながる可能性があります。

ただし、翻訳や回答の正確性が保証されているわけではないため、重要な申請や期限を伴う手続きでは担当部署への確認が必要です。


AIの回答は市の公式決定ではない

真岡市は、生成AIチャットボットの利用に関する注意事項も公開しています。

AIの回答は、市としての公式な回答、審査結果、決定ではありません。法令、条例、規則、市公式ホームページの記載と回答が異なる場合は、公式情報が優先されます。

回答できない主な内容

  • 個別事情に基づく給付や制度対象の判定
  • 税額や保険料額の計算
  • 法令解釈や法律相談
  • 診断や治療方針など医療上の判断
  • 真岡市以外の自治体や国・栃木県の制度案内

また、氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、マイナンバー、口座番号、被保険者番号などの個人情報は入力しないよう案内されています。

入力された質問や回答は、生成AIの学習データには利用されません。一方、回答精度の検証やサービス改善のため、個人を特定できない形で利用される場合があります。

使用している生成AIの条件により、利用対象は18歳以上です。18歳未満の場合は、保護者が利用する必要があります。


行政ホームページが「検索する場所」から「質問する場所」へ

これまで自治体のホームページは、利用者自身がメニューや検索窓から必要なページを探すことを前提としていました。

生成AIチャットボットが普及すれば、行政ホームページは、キーワードで検索する場所から、日常的な言葉で質問して案内を受ける場所へ変化します。

一方、自治体側には、AIへ参照させる情報の品質を維持し、誤回答や未回答を継続的に確認する運用が求められます。

回答精度は、生成AIモデルの性能だけでは決まりません。参照するホームページの情報が古い、説明が不足している、ページ構成が分かりにくいといった問題があれば、AIの案内品質にも影響します。

その意味で、真岡市が進める未回答質問の月次分析は、生成AIと行政情報の両方を改善する取り組みといえます。


まとめ

真岡市は2026年10月1日、市公式ホームページのAIチャットボットを生成AI型へリニューアルしました。

市公式サイトの約4,700ページを参照し、税、子育て、健康・福祉、ごみ、各種手続きなどの質問へ原則24時間対応します。

ホームページの更新情報を自動で取り込むことで、職員が回答データを手作業で登録する負担を減らせる点も特徴です。

さらに、回答できなかった質問を毎月分析し、利用者からのフィードバックと合わせて回答精度やホームページの改善へ活用します。

ただし、AIの回答は真岡市の公式な決定ではなく、誤った情報が生成される可能性もあります。重要な手続きでは参照ページを確認し、必要に応じて担当部署へ問い合わせることが必要です。

今回の取り組みは、自治体ホームページを「住民が情報を探す仕組み」から「AIが必要な情報へ案内する仕組み」へ転換する事例として注目されます。


English Summary

On October 1, 2026, Moka City in Tochigi Prefecture upgraded its municipal website chatbot by introducing generative AI.

The chatbot uses information from approximately 4,700 pages on the city’s official website to answer questions about taxes, childcare, health and welfare, waste disposal and administrative procedures. It is available in principle 24 hours a day, 365 days a year.

Website updates are automatically incorporated into the chatbot, reducing the need for city employees to manually register new answers. Questions that the chatbot cannot answer are analyzed monthly to improve accuracy and identify information that residents have difficulty finding.

However, chatbot responses are not official decisions by Moka City and may contain incorrect or outdated information. Users should check the referenced official pages and contact the responsible department for important procedures.


参考・出典

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